ノルウェー宇宙港から打ち上げられたロケット、30秒で墜落
ドイツ新興企業の軌道ロケット、打ち上げから30秒後に墜落
(CNN) ドイツの新興企業イーザーエアロスペースの軌道ロケットが30日、打ち上げから約30秒後に墜落した。試験飛行はノルウェー北部の宇宙港で行われた。同社によると、軌道に到達可能なロケットがロシアを除く欧州大陸から打ち上げられたのは今回が初めて。
「スペクトラム」と呼ばれるこのロケットは、わずか30秒ほど空中にとどまった後、ノルウェー海に墜落した。
イーザーエアロスペースなど欧州の新興企業は、急速に拡大する宇宙競争の一角に食い込もうと奮闘している。現在は米中の民間企業や国有機関が圧倒的優位に立つ。
同社は30日の打ち上げをその目標に向けた第一歩と位置づけ、声明で、第1段の点火後、離陸するという目標を達成し、約30秒間の試験飛行を行ったと述べた。同社は将来のミッションに適用できる大量の飛行データを収集し、経験を得ることができたという。
23の加盟国で構成される欧州宇宙機関(ESA)やフランスの航空宇宙企業アリアングループはすでにロケットを軌道に打ち上げている。しかし、いずれも打ち上げは主に米大陸の宇宙港で行っている。
宇宙産業では、何百ものロケットを軌道上に打ち上げた米実業家イーロン・マスク氏率いるスペースXなどが主導的立場にある。
欧州は1960年代と70年代に行われた初期の宇宙競争でも、その後民間企業が次々に軌道到達を目指す中でも後じんを拝してきた。