リトアニアで訓練中に消息を絶った米陸軍兵、4人中3人の遺体収容
(CNN) リトアニアのベラルーシ国境付近で先週、訓練中に消息を絶った兵士4人をめぐり、3人の遺体が収容されたことがわかった。米陸軍が31日に発表した。水没した状態で見つかっていた装甲車も回収されたという。
声明によると、4人目の兵士の捜索が続けられている。
4人の兵士はジョージア州フォートスチュワートの第3歩兵師団第1機甲旅団に所属していた。
兵士とM88装甲回収車は、リトアニアの訓練区域で別の米軍車両を回収する整備訓練任務を行っていた先月25日の早朝から消息を絶っていた。M88は翌26日未明に発見された。発見以降、米国と同盟軍は、約70トンの車両の引き揚げに24時間体制であたってきた。
回収作業には「リトアニアからの膨大な資源」と「米陸海軍、リトアニア軍、ポーランド軍の何百人もの兵員、さらにリトアニア政府と民間機関など」も関与した。
当局者らは、今回の回収作業について米国と同盟国間の関係の重要性を示す好例だと指摘する。トランプ政権は主にウクライナ戦争と北大西洋条約機構(NATO)の資金拠出に関して同盟諸国の対応が不十分だと非難しており、ここ数週間、関係性に緊張が走っている。
米欧州・アフリカ陸軍の報道官はCNNに対し、水没した車両を発見した後、リトアニアのダイバーが「きわめて迅速に」現場に駆けつけたと語った。ポーランドも数十人の技術者や工兵の動員を開始した。
リトアニアはヘリコプターやドローン(無人機)、固定翼機、捜索救助隊員のほか、掘削機などの重機を提供した。陸軍当局者によれば、リトアニアは回収作業に対する補償を求めておらず、すべて自費で行っているという。
欧州連合軍最高司令部の報道官はCNNに対し、同盟国が同盟国を助けることが「同盟の本質」だと語った。