トランプ氏がゼレンスキー氏を非難、鉱物協定からの「撤退試みている」と主張
(CNN) 米国のトランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領が鉱物協定からの「撤退を試みている」として非難した。ウクライナの鉱物資源を巡る両国の協定は早ければ週内にも合意が見込まれているが、ゼレンスキー氏が調印しない場合は「大きな問題」に直面すると、トランプ氏は付け加えた。
これに対しウクライナ側は、協定の条件がこの数日で相当変更されたと強調している。
トランプ氏は3月30日、エアフォースワン(大統領専用機)の機内で記者団に対し、「見たところ彼(ゼレンスキー氏)はレアアース(希土類)の協定から手を引こうとしているようだ。もしそうするなら、彼は問題を抱えることになる。大きな問題を」と述べた。レアアースに関して合意したにもかかわらず、ゼレンスキー氏が今になって再交渉を求めていると示唆した。
一方、ゼレンスキー氏は先週、両国が協定の「枠組み」での合意に既に達したと説明。しかしその後の完全合意を巡っては、条件が複数回変わっているとしてすぐには進められないとの認識を示した。それでもウクライナからは常に前向きな発信をしていると述べ、米国に協力する方針を明らかにしている。
当初の鉱物協定は2月、ホワイトハウスでのトランプ氏とゼレンスキー氏の会談が物別れに終わったため調印に至っていなかった。
協定はその後、天然資源に関する合意のための新たな提案という形で改めて作成された。これは米国に対し、ウクライナのレアアースへのアクセスをより多く与える内容となっている。議論に詳しい人物2人と、CNNが入手した提案の草稿から明らかになった。
ただ新提案には、ウクライナへの安全保障を請け合う文言が盛り込まれていない。ロシアとの戦争における具体的な安全保障に関する保証は、ウクライナが挙げる最優先事項の一つ。
当該の情報筋によると、協定は全ての鉱物資源並びにウクライナ全土の石油、ガスに適用される。
トランプ政権は、今後結ばれる鉱物協定が戦争終結を目指す中で対ウクライナ投資を継続する主要な理由になると主張している。