オオサンショウウオに新種発見、両生類最大と研究者
(CNN) かつて英ロンドン動物園で飼育され、その後自然史博物館で展示もされたオオサンショウウオが未発見の新種に属し、両生類として世界最大でもある可能性があることがわかった。16日発行の学会誌が研究の詳細を掲載した。
オオサンショウウオはもともと中国の中部、南部、東部に広く生息していた。チュウゴクオオサンショウウオとして知られるこの種は、体長約113センチ、体重約50キロの大きさにまで成長する。
今回、研究者らは博物館の標本や野生種の組織サンプルからオオサンショウウオの個体17匹分を分析。その結果、これまで確認されていなかった新種の存在が明らかになった。
この新種は1920年代から30年代にかけて、ロンドン動物園を運営するロンドン動物学会で飼育されていた。当時から通常のオオサンショウウオと異なる特徴が見られたが、新種と認定されるには至っていなかった。
新たな研究では、このオオサンショウウオが他とは別の種に属することを確認。個体によっては体長が約180センチにまで成長するとしている。これは今日地球上で存在が認められている両生類8000種前後の中で最大とされる。
さらに研究者らは、これまで1つの種とみられてきたオオサンショウウオを3つの種に分類した。このうち3番目の種については組織サンプルでのみ存在が確認された。
研究論文の主筆者を務めたロンドン動物学会のサミュエル・ターベイ氏は「分析の結果、チュウゴクオオサンショウウオの種は310万~240万年前に枝分かれしたことが分かった」と説明。この年代に起きた中国大陸の山岳の形成により、同一種の生息地が分断され、それぞれの種が異なる環境で独自の進化をたどったとの見解を示した。
現在オオサンショウウオは高級食材などとして取り引きされ、世界的な生息数が激減している。種の多様性に関する今回の発見が、オオサンショウウオを保護する取り組みの一助になってほしいとターベイ氏は期待を寄せている。