中国、強力ロケットの打ち上げ成功 宇宙開発加速か
香港(CNN) 中国は29日までに、強力なロケット「長征5号」を打ち上げ、搭載の通信衛星を地球周回の高軌道に投入することに成功したと発表した。国営の中国中央テレビ局CCTVが伝えた。
同ロケットの打ち上げは通算3度目で、今回の成功で月や火星を対象にした探査計画や有人宇宙ステーションの完成などより野心的な宇宙開発事業を加速させる可能性がある。
長征5号は地球の低軌道へ25トンの貨物を運べるよう設計され、2020年の火星探査の着手をにらんだロケットともなっている。
長征5号の開発事業は2001年に最初に発表されたが、資金調達で苦労し長期の遅滞を強いられた。また、液体の推進剤を全面的に使用する中国初のロケット完成に必要な新技術の開発にも手間取っていた。
17年には打ち上げに失敗し、中国政府が目指す宇宙開発大国の実現に遅れが出ることも懸念されていた。
中国は今年11月、火星探査機の火星着陸を想定した初の公開試験を実施。来年には火星へ無人探査機を送る見通しとなっている。
月探査では来年に探査機を着陸させ、地層などのサンプルを収集し、地球へ帰還させる計画を進めている。2030年代には人間を月へ送り込む暫定的な計画もある。この計画が成功すれば、月面での有人探査の実施は米国に次いで2カ国目となる。
また、2022年ごろには重さが20立方トンとする宇宙ステーションの建設開始も見込んでいる。