進化の最新形態?、海底を「歩くサメ」 新たに4種を発見
(CNN) 浅い海の底に張り付き、胸ビレで歩くような動作をするサメの仲間について、進化の過程を分析した論文がこのほど学術誌に掲載された。研究を進める中で、同じ特徴を持つサメ4種が新たに見つかったという。
研究者らは、従来から存在の知られていた「歩くサメ」数種のDNAを数年かけて調査した。その結果、このサメが地球上に現れた最も新しい種類のサメである可能性が浮上した。
軍服の勲章を思わせる斑点が付いていることから「エポーレット(肩章)シャーク」とも呼ばれるこのサメ。DNAを調べたところ、進化の過程で他のサメと枝分かれしたのは約900万年前だということが分かった。最も若い種は、地球上に出現してから200万年に満たないとみられる。一方サメ全体の起源はこれよりはるかに古く、4億年前には各地の海洋で繁栄を遂げていた。参考までに、最も古い恐竜の化石の年代はおよそ2億4000万年前だ。
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エポーレットシャークの存在は、サメという種が約3億9900万年もの年月を経てもなお進化し続けたことを示唆する。生物として備わった進化的持久力や適応力には特筆すべきものがあると研究者らは指摘する。
胸ビレを使い、浅い海底の岩礁や海藻に沿って歩くような動作は、餌となる小さな魚を探すためのもの。海の水位と地形の変化に適応したことなどで、こうした行動が身についたとみられる。現時点で確認されている9種のほとんどは、インドネシア東部とその周辺の島々、ニューギニア、豪州の一部を生息地としている。
今回の論文の共著者でアジア太平洋地域の海洋生物保護に取り組むマーク・エルドマン氏は、自分たちの研究がきっかけとなってこれらのサメを保護する機運が高まってほしいと期待を寄せる。うち数種については、国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト」に加えることも望んでいるという。
同氏によれば、「歩くサメ」の生息の確保は海の生態系を豊かにするほか、有力な観光資源として地元の共同体にも恩恵をもたらすという。