火災と洪水の次は猛毒グモ、専門家が注意呼びかけ オーストラリア
(CNN) 大規模な森林火災に続いて洪水やひょうの被害も出ているオーストラリアで、今度は危険な毒グモが繁殖する恐れがあるとして、専門家が警戒を呼びかけている。
オーストラリア東部の湿潤な森林地帯に生息するジョウゴグモは、複数種が強い毒をもつことで知られる。ニューサウスウェールズ(NSW)州のオーストラリア爬虫(はちゅう)類パークは22日、ここ数日でクモの繁殖にとって「完璧な環境」が整い、活動が活発化していると報告した。
同パークはフェイスブックを通じ、「雨が降って気温の高い日が続いたことから、ジョウゴグモが動き始める」と予想。「ジョウゴグモは人を噛(か)むという点において地球上で最も危険なクモの1種であり、重大な事態と受け止める必要がある」としている。
大規模な森林火災が続くNSW州は、先週末にかけて激しい雷雨に見舞われた。大雨によって鉄砲水の危険が生じたほか、ゴルフボール大のひょうが降って車の窓が割れたり野鳥がけがをするなどの被害も出ている。
害虫対策の専門家によれば、ジョウゴグモの活動は例年であれば夏の間に活発になる。しかしこの夏は極端な乾燥が数カ月にわたって続いたため、例年より遅れて繁殖シーズンが到来した。
ジョウゴグモの毒は非常に強く、人が死ぬこともあるとこの専門家は警告し、「ここ最近の雨で繁殖して、地面や屋根から民家に入り込むかもしれない」と話している。
オーストラリア原産のシドニージョウゴグモの毒は、中枢神経を攻撃する。この毒のために過去100年で十数人が死亡している。