新型コロナ、猫にも感染の可能性 「心配は不要」と専門家
(CNN) 猫も新型コロナウイルス感染症(COVID―19)に感染する可能性があるという研究結果が、新たに中国で発表された。まだ同じ分野の専門家による査読は行われておらず、米国の専門家などは、それほど心配する必要はないと指摘している。
中国の研究チームが行った実験では、新型コロナウイルスが猫同士で感染することも分かったとしている。ただし猫に症状は出なかった。
また、フェレットも同ウイルスを「受け取る」ことがあるものの、健康状態の悪化は見られなかった。一方、犬は影響を受けないことが判明。同ウイルスは犬5匹の顔に付着していたが、感染性のあるウイルスは見つからなかった。ブタ、ニワトリ、アヒルも同ウイルスにとってあまり適した環境ではないことが分かった。
この研究について専門家は、猫やフェレットの飼い主が極度に心配する必要はないと指摘。猫やフェレットが新型コロナウイルスのために重い症状が出たり死んだりすることが証明されたわけではないと強調した。
米ピッツバーグ大学病院のジョン・ウィリアムズ医師は今回の研究について、「研究者が高濃度のウイルスを猫の鼻に噴射しており、極めて人為的だった」と解説する。
専門家によると、今回の実験は極めて非現実的な状況で実施されていた。まず、研究チームは極端に高濃度のウイルスを、強制的に生後8カ月のイエネコ5匹の鼻孔に噴射していた。飼い猫や野良猫でさえ、これほど高濃度のウイルスにさらされることはない。
実験に使われた5匹の猫のうち2匹は6日後に安楽死させられ、その上気道からウイルス粒子が見つかった。
残る3匹の猫は、ウイルスに感染していない猫3匹の隣のケージに入れられた。この3匹のうち1匹で後に同ウイルスの陽性反応が出た。残る2匹に陽性反応は出なかったが、研究チームでは、同ウイルスが飛沫(ひまつ)を通じて感染し得ることが実証されたと解釈している。