長距離旅客機便で7人が陽性、事前対策効果なく 症例研究
(CNN) 中東アラブ首長国連邦(UAE)のドバイからニュージーランドへの長距離旅客機便で新型コロナウイルスの予防策を搭乗前に終えていた乗客7人が18時間の飛行後、陽性反応をいずれも示したことが新たな症例研究でこのほど判明した。
研究結果は、新型感染症に関する医学誌「Emerging Infectious Diseases」が掲載した。
5カ国の出身者である7人のうちスイスからの乗客2人を含む5人は昨年9月下旬の搭乗前の数日間内に陰性反応を確認。このスイスからの乗客がウイルスを機内に持ち込んだ可能性があるとした。
フライト後に陽性反応が判明した乗客の残りは機内で、スイスからの乗客の座席から2列ほど離れた通路側に着席していたという。搭乗前の検査で潜伏期間が原因で感染を検知出来なかった事態にも言及した。
乗客7人のうちの5人は飛行中、選択肢として示されていたマスクと手袋を着用。ニュージーランドに到着後、同国政府の隔離施設に移送後、陽性反応を示した。ただ、このうちの1件は、感染が判明した他の6件に関連した家族のメンバーによって隔離施設内でうつされた可能性があるとした。
航空機内では換気や空気ろ過の効果で新型コロナウイルスは容易に拡散しないとの研究結果がこれまで出ているが、今回の調査はこの見方に異論をはさむ材料となっている。同誌の研究論文の作成者は、ドバイ発の旅客機の換気調整機器は給油地のマレーシアで30分間程度、作動停止していた可能性に言及した。
米疾病対策センター(CDC)の研究者グループは昨年11月の報告書で、旅行開始前の3日間で新型コロナの検査を受ければウイルス拡大を5~9%減らすと推定。出発当日の検査は比率が37~61%に激増するとも推測していた。ただ、この分析は論文査読の対象になっていなかった。