コウテイペンギン、気候変動で絶滅の危機 米が保護種に指定

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米当局が、南極に生息するコウテイペンギンを絶滅危惧種保護法によって保護する対象に加えた/Bernard Breton/Adobe Stock

米当局が、南極に生息するコウテイペンギンを絶滅危惧種保護法によって保護する対象に加えた/Bernard Breton/Adobe Stock

(CNN) 南極に生息するコウテイペンギンが、気候変動の影響で絶滅の恐れが強まったとして、米国の絶滅危惧種保護法(ESA)に基づき保護されることになった。

米魚類野生生物局は25日、コウテイペンギンを絶滅危惧種に指定すると発表。同局は生息地を問わず絶滅危惧種の指定を行っており、コウテイペンギンについては1年以上前からESAに基づく保護を勧告していた。

コウテイペンギンは海氷の上にコロニーをつくって繁殖し、海中の天敵をよけながら餌を取っている。しかし地球温暖化が進む中、海氷は解けて消滅の危険に瀕している。

海氷が解けたり分裂したりする時期が早まれば、ペンギンのコロニーが全滅したり消滅したりする恐れもある。

「今回の指定は絶滅の危機増大を反映した措置であり、個体数が減少して回復不可能になる前に保全する取り組みの重要性に照準を当てている」。同局は声明でそう指摘した。

米ウッズホール海洋研究所によると、南極半島の海氷の一部は30年で60%以上解けている。もしもコウテイペンギンの個体数が減少すれば、生態系でつながるほかの種も危険にさらされる公算が大きい。コウテイペンギンはオキアミや魚類、イカなどを捕食する一方、ヒョウアザラシやシャチの餌にもなっている。

米魚類野生生物局によると、南極大陸沿岸部にはおよそ61のコウテイペンギン繁殖コロニーがあり、合計で繁殖期のつがい27万~28万組(ヒナも含めて62万5000~65万羽)がコロニーを形成している。個体数は現時点では安定しているが、2050年までに26~47%減少し、繁殖期のつがいは18万5000~13万2500組に減ると予想されている。

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