更年期女性にみられる「疲労感」、過度な月経出血が原因か 新研究

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閉経移行期の女性が感じる疲労感は過度な月経出血が原因の可能性があるとの研究結果が明らかになった/Delmaine Donson/E+/Getty Images/File

閉経移行期の女性が感じる疲労感は過度な月経出血が原因の可能性があるとの研究結果が明らかになった/Delmaine Donson/E+/Getty Images/File

(CNN) 閉経移行期の女性が感じる疲労感は過度な月経出血が原因の可能性があるとの研究結果が明らかになった。メノポーズ誌に12日に掲載された論文によると、6カ月以内に重度または長引く月経出血が3回以上あった場合、疲労の症状が現れやすくなるという。

研究の著者らは、過度の出血はよくある症状で、それが生活の質に影響を及ぼすにもかかわらず、この出血が他の典型的な更年期の症状にも関連しているかどうかに関する研究はほとんど存在しないと述べている。

著者らの知る限り、今回の研究は、閉経前期および閉経周辺期の女性が経験する重度または長引く月経出血と、疲労または活力の関連性を初めて経時的に評価したものだ。

閉経移行期にある人の約33%は、重度または長引く月経出血をよく経験する。過剰な経血は不正子宮出血の基準を満たしていることが多い。これは6カ月以内の月経中または月経期の間に膣(ちつ)出血の量、期間、頻度が過剰である医学的状態と定義される。

閉経前期は通常、閉経の約3~10年前に起こる。ジョンズ・ホプキンズ・メディシンによると、この移行期は卵巣が徐々に機能しなくなるときに始まる。この期間ではホルモンの一種であるエストロゲンとプロゲステロンの濃度が変動し、気分のむら、月経不順、うつ病などの症状を引き起こす場合がある。

著者らは、1996年または97年時点で平均年齢47歳だった2329人の女性の健康データを調査。対象者は調査開始時と最大10年間にわたり毎年、婦人科、月経、および病歴に関する質問に回答した。

また、対象者は最終月経から2年後まで、もしくは最大10年間、月経出血についても記録した。記録する際の「非常に重い出血」は、1日のうちの4時間以上にわたり1~2時間ごとに生理用品を交換しなければならない程度を意味する。長引く出血は、月経出血が8日以上続くことと定義し、重度の月経出血は、3日以上にわたる非常に重い出血と定義した。

研究によると、過去6カ月間に重度の月経出血が3回以上あった女性は、疲労を感じる可能性が62%高く、強い疲労を感じる可能性が44%高かった。同期間に3回以上出血が長引いた場合、活力がみなぎっていると感じる可能性が32%低かった。

著者らによると、重度または長引く月経出血と疲労の関係は、鉄分不足と、失血による鉄欠乏性貧血が原因となっている可能性があるという。これらは、一般的な疲労の原因として実証されており、不正子宮出血の合併症としても知られている。

貧血が更年期の疲労の原因である場合、医療従事者は出血を止め、鉄分を補う必要がある。専門家によれば、通常は経口鉄剤を投与し、鉄分濃度を高めることで、赤血球を増やし、血液量を回復させることができる。

また、過度の月経出血の一般的な治療には、ナプロキセンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)や、出血を約30%減らすことができる経口避妊薬などがあるという。

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