シャラポワ選手、国連の親善大使も一時停止
(CNN) 女子プロテニスのマリア・シャラポワ選手(28)がドーピング検査での陽性反応を認めた問題で、国連開発計画(UNDP)は同選手が担っていた親善大使の任務を暫定的に停止したことを明らかにした。
UNDPの報道担当者は、チェルノブイリ原発事故後の復興事業へのシャラポワ選手の協力などに改めて感謝の言葉を述べたうえで、薬物についての調査が完了するまでは親善大使としての役割を停止し、今後の活動予定を中止すると述べた。
シャラポワ選手は2007年の就任直後、チェルノブイリの若者たちに10万ドル(現在のレートで約1130万円)を寄付。親善大使としての報酬はわずか1ドルだが、「これまでで最も誇りを感じる仕事」のひとつだと話していた。
同選手の一家はかつて、チェルノブイリの北約130キロに位置するベラルーシの街に住んでいたが、事故後は放射能の被害が及ぶ恐れがあるとしてシベリアへの避難を強いられた経緯がある。
国連の指針によると、親善大使にはその役割にふさわしい人柄や品位が求められる。国連の主旨に合わない行動があった場合は任命を再考するとの規定が適用されたとみられる。
シャラポワ選手は過去11年間、米経済誌フォーブスによるスポーツ選手の収入ランキングで女子のトップを独走してきたが、ドーピング問題を受けてスポーツ用品大手のナイキ、スイス時計メーカーのタグ・ホイヤー、独高級車メーカーのポルシェなどが相次いでスポンサー契約の停止を発表。ラケットメーカーのヘッドは契約を続けると表明している。