スポーツ仲裁裁判所、ワリエワ選手の北京五輪出場を認める
(CNN) スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ選手(15)について、北京冬季五輪への出場を認める裁定を下した。ワリエワ選手は昨年12月の検体で禁止薬物の陽性反応が出ていた。
CASは声明で、ワリエワ選手は未成年であり、世界反ドーピング機関(WADA)が定める保護対象となるなどといった特別な事情に基づいて、出場が認められるべきだと説明した。CASは、ワリエワ選手は五輪期間中に薬物検査で陽性とはなっていないとも述べた。
ワリエワ選手は今回の裁定により15日に行われる女子シングルスのショートプログラムに出場できる。ワリエワ選手は優勝候補のひとりとみられている。
ワリエワ選手はすでに北京五輪の競技に参加していた。禁止薬物で陽性反応が出ていたことが分かったのは、7日に行われたフィギュアスケートの団体戦でロシア・オリンピック委員会(ROC)が金メダルを獲得した後のことだったためだ。
フィギュア団体では米国が銀メダル、日本が銅メダルを獲得していた。しかし、ワリエワ選手の禁止薬物陽性が判明し、表彰式は延期された。
国際オリンピック委員会(IOC)のマーク・アダムス広報部長は14日、今回のCASの裁定はワリエワ選手の大会参加に関する点だけで、メダルについては後日判断すると述べた。
ワリエワ選手をめぐっては昨年12月に開催されたロシア選手権での検体で禁止薬物の陽性反応が出た。
国際検査機関(ITA)によれば、スウェーデンにある研究所が検体の結果を報告したのは今月8日だった。
ワリエワ選手は即座にロシア反ドーピング機関(RUSADA)によって暫定的な資格停止処分を受け、自動的にすべての競技への参加が禁じられた。
ワリエワ選手は9日に異議申し立てを行い、RUSADAが同日事情聴取を行い、資格停止処分を解除した。
IOCとWADA、国際スケート連盟(ISU)は、資格停止処分の解除を不服としてCASに提訴していた。