ワリエワ問題、米国は関与したロシア人を訴追可能 米反ドーピング機関トップ
(CNN) 米反ドーピング機関(USADA)のトップは11日、女子フィギュアスケートのカミラ・ワリエワ選手(15)のドーピング問題をめぐり、関与したロシア人を米国が「ロトチェンコフ反ドーピング法」に基づき訴追することは可能との認識を示した。
同法はロシアのドーピング問題を告発したグリゴリー・ロトチェンコフ氏から名付けられたもので、2020年12月にトランプ前大統領の署名で成立した。
米国は同法に基づき、自国の選手やスポンサー、放送局が関わる主要な国際スポーツ大会でのドーピングに関与した者に刑事制裁を科すことができる。
違反した場合の罰則には10年以下の禁錮や、個人25万ドル(約2900万円)、団体100万ドルの罰金が含まれる。
USADAトップのトラビス・タイガート氏は、「より多くの事実が確認されれば、ロトチェンコフ法が関係してくる可能性がある」と指摘。今回の五輪はロトチェンコフ法の定義する主要な国際大会に該当するため、ワリエワ選手のドーピングに共謀した医師やコーチ、国の当局者、スポーツ当局者がいれば、同法の適用対象になるとの見方を示した。
同法では主要な国際大会の条件として、米国の資金や放送社、スポンサー企業が関わっていること、世界反ドーピング機関(WADA)の規定が適用されること、外国人選手3人以上と米国人選手1人以上が参加していることを挙げているという。
国際検査機関(ITA)は同日、ワリエワ選手が北京五輪前の昨年12月に行われた薬物検査で陽性反応を示したことを確認していた。