ワクチン懐疑派のケネディ米保健福祉省長官、「自閉症流行原因を9月までに解明」 研究開始
(CNN) 米保健福祉省は、世界中の数百人の科学者が参加する「大規模な検査と研究」を開始し、9月までに「自閉症の流行の原因」を解明する。ロバート・ケネディ・ジュニア長官が10日に明らかにした。専門家らは、この研究が信頼できるかたちで実施されるか疑問視している。自閉症とワクチンに関連性はないとする強力な証拠があるにもかかわらず、ケネディ氏はこれまで両者を結びつけてきた経緯がある。
ケネディ氏は閣議でトランプ大統領に対し、「9月までに自閉症の流行の原因が判明し、原因への暴露をなくすことができる」との見方を示した。
トランプ氏は、「これは大きな発表になるだろう」と述べ、人工的な何かが原因となっているに違いないと応じた。
疾病対策センター(CDC)によると、米国における自閉症の罹患(りかん)率は上昇傾向にあり、2020年には約36人に1人の子どもが自閉スペクトラム症と診断された。ケネディ氏は10日、最新の統計で「再び罹患率が上昇している」可能性を示唆。約31人に1人の割合まで上昇しているとした。00年には150人に1人だった。
自閉症の研究者らは、罹患率が上昇している理由として、意識の高まり、自閉症の定義の拡大、検査手法やプロセスの改善、早期発見などを挙げている。原因は完全には解明されていないものの、遺伝的要因に加え、親の高齢化、胎児期の大気汚染や特定の農薬への暴露、その他の環境要因が影響していると考えられている。
原因と考えられるものにワクチンは含まれていない。
国立衛生研究所(NIH)傘下の国立環境衛生科学研究所は「水銀化合物であるチメロサールを含むワクチンと自閉症との関連性は見つかっていない」と述べている。
しかし、トランプ氏はケネディ氏の「大規模な検査と研究の取り組み」がどこへ向かうのかについて含みをもたせた。
トランプ氏はケネディ氏に「もしその答えが見つかったなら、何かの服用をやめる、何かを食べるのをやめる、あるいは注射かもしれない」「しかし、何かが原因になっている」と述べた。