米CNN幹部が辞任、前社長との関係で基準違反の非難受け
(CNN Business) CNNのジェフ・ズッカー社長がその地位を追われてから2週間後、同氏の補佐役を務めていたアリソン・ゴーラスト氏も同社を辞めることになった。
15日夜の社員向けメモの中で、CNNを傘下に持つワーナーメディアのジェーソン・カイラー最高経営責任者(CEO)はゴーラスト氏の辞任を発表。CNNの元司会者、クリス・クオモ氏とその兄で前ニューヨーク州知事のアンドリュー氏に「関連する問題」について調査した結果だと述べた。
メモの中でカイラー氏は「40人以上に対する聞き取りと、10万件を超えるテキストメッセージ並びに電子メールの検証に基づく調査から、ジェフ・ズッカー氏、アリソン・ゴーラスト氏、クリス・クオモ氏による社の規定への違反が明らかになった。この中にはCNNのニュース報道に関する基準・慣例への違反も含まれる」と説明。
CNNが掲げるジャーナリストとしての品位は極めて高い水準にあるとしたうえで、「これらの規定は全員に等しく適用されなくてはならない」と強調した。調査で得た情報を考慮に入れれば、今回の措置は妥当なものと確信しているとも付け加えた。
ゴーラスト氏は同日出したコメントで、自らの辞任についての落胆を表明。過去9年にわたり、CNNの掲げる高い水準でジャーナリストとしての品位を維持してきたと主張した。
ズッカー氏の代理人は現時点でコメントを発表していない。クオモ氏はコメントを控えた。
ワーナーメディアは、クオモ氏から提訴される可能性に備えている。同氏は昨年12月、数々の疑惑が浮上する中で午後9時からの番組を降板させられていた。
CNN Businessは同月、CNNが第三者の法律事務所を雇い、兄のアンドリュー氏によるセクハラ問題にクオモ氏がどう対処したかを調べていることを最初に報じた。
当初はクオモ氏の行動が焦点だった調査はこの後、当時社長だったズッカー氏とクオモ氏あるいはその兄のアンドリュー氏とのより広範な関係を探るものへと発展。その過程で、ズッカー氏とゴーラスト氏の関係についても質問が及ぶに至ったという。
ズッカー氏はゴーラスト氏との関係を認めたが、関係が生じた時点でそれを明かしていなかったことが、社の基準への違反に該当した。
ズッカー氏は今月2日、自分が間違っていたとして辞任を発表した。
ゴーラスト氏は声明でズッカー氏との関係について、コロナ禍の間に変化したと説明。明かすべき時にそうしなかったのを後悔していると述べた。
カイラー氏によると、ゴーラスト氏の辞任を受けて上記の法律事務所による調査は完了したという。