スウェーデン検察、ウィキリークス創設者の捜査打ち切り
ストックホルム(CNN) スウェーデン検察当局は19日、内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者、ジュリアン・アサンジュ容疑者に対する性的暴行容疑での捜査を打ち切るとの声明を発表した。
アサンジュ氏は一貫して容疑を否定。逮捕を逃れるため、2012年から英ロンドンのエクアドル大使館で籠城を続けている。最終的に米国に身柄を引き渡され、ウィキリークスを通じ政府機密を暴露した罪で死刑を言い渡される恐れがあるとの懸念も表明していた。
スウェーデン検察のトップは記者会見で、捜査打ち切りの決定を下した理由について、「捜査進展のあらゆる可能性が尽きた」ためだと説明。被疑事実に関する何らかの判断を下したわけではないと付け加えた。時効が成立する20年8月までにアサンジュ氏がスウェーデンに入国した場合、捜査が再開される可能性も示唆した。
アサンジュ氏は同日午後、大使館のバルコニーに姿を現し、今回の展開を「重要な勝利」と評した。そのうえで「罪もないままの7年間、子どもたちは私なしで成長した。これは許すことも忘れることもできないことだ」などと述べた。
ただアサンジュ氏は依然、英当局の逮捕状の対象となっている。同氏はすぐに大使館を離れる可能性は低いと認め、集まった記者らに対し「この戦いは始まったばかりだ」と主張した。
一方、暴行被害を訴えているスウェーデン人女性のひとりの弁護士は、検察の決定は「スキャンダル」だと述べた。
この問題に詳しい複数の米当局者は先月、CNNに対し、米当局はアサンジュ氏の逮捕に向けた準備を進めていると明かしていた。米英両国は身柄引き渡しの協定を結んでいることから、アサンジュ氏がエクアドル大使館を離れた場合、英国が逮捕して米国に身柄を移送する可能性もある。