フェイスブック、ロシア発の選挙工作を阻止 FBIの情報受け
ニューヨーク(CNN Business) 2016年大統領選への介入を図ったロシアの組織が、今回の大統領選でも情報工作を狙っていることが分かった。米フェイスブックが1日、米連邦捜査局(FBI)からの情報提供を受けて作戦を阻止したと発表した。
フェイスブックから調査を委託されたソーシャルメディア分析会社、グラフィカの調査責任者が1日、CNNに語ったところによると、ロシアの「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」という組織の関係者が、「ピース・データ」と名乗る左翼系ニュースサイトを装い、フェイスブックなどで偽情報の拡散を図っていたとみられる。
IRAの作戦は16年大統領選で多くのフォロワーを集めたが、実際の選挙結果にどの程度影響を及ぼしたのかは分かっていない。今回はフェイスブック上で勢いづく前に、早い段階で阻止されたようだ。
グラフィカによれば、ピース・データはAI(人工知能)にプロフィル写真を合成させる手口を使って架空の編集者を紹介し、ライター募集の広告も出していた。
フェイスブックは7月にFBIからピース・データに関する情報提供を受けた。「技術的な指標」を使ってIRAの関与を特定し、その情報をFBIと共有したという。
米ツイッターもフェイスブックからの情報を受け、ピース・データとのつながりが判明した偽アカウントなど5件を削除した。
IRAの狙いは16年当時と同様、米民主党有権者の分断だったとみられる。
同党の大統領候補、バイデン前副大統領の陣営関係者は、ロシアがフェイスブックを通し、トランプ大統領の有利になるよう選挙介入を図っていることが示されたと指摘。フェイスブックに対してルールの徹底など、対策強化を求めた。