トランプ米大統領がケノーシャ訪問、制度的人種差別には言及せず
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は1日、地元当局者の反対を押し切って、ウィスコンシン州ケノーシャを訪問した。同地では黒人男性が警官に銃撃された事件をめぐり、抗議デモや暴動が続いていた。
ケノーシャの事件では、黒人男性のジェイコブ・ブレークさんが警官に背中を7発撃たれて重傷を負った。トランプ大統領は今回の訪問でブレークさんの家族とは面会しなかった。その理由については、家族側が弁護士の関与を望んだためだと主張している。
訪問中に、米国で制度的な人種差別は問題だと思うかどうかと記者から質問されたトランプ大統領は、「我々は、ポートランドやここやほかの場所で目にしているような暴力について話さなければならない」「事実として、我々はとてつもない暴力を目の当たりにしてきた。機会があれば、それを今すぐにでも消し去る」と応じた。
さらに、警察の暴力は制度的問題ではないと主張、ケノーシャの住民が望んでいるのは「法と秩序」であり、「警察が警察であること」だと訴えた。
トランプ大統領が激戦州のウィスコンシンを訪問した背景には、11月の大統領選挙を前に、民主党が多数を握る州や自治体を暴力と結びつけ、自らを法と秩序を守る候補者として印象付ける狙いがある。