フェイスブック運営のメタ、中国とロシア発の情報工作を排除
ニューヨーク(CNN Business) フェイスブックを運営する米メタは27日、中国とロシアからの情報工作に使われていた偽アカウントのネットワークをそれぞれ排除したと発表した。
発表によると、中国発のネットワークはアカウント計80件ほどと小規模で、ほとんどフォローされていなかったものの、米国内の保守派とリベラル派を装う偽アカウントが含まれていた。
メタの報道担当者は、米中間選挙を前に外国からの干渉を警戒する立場から、詳細を公表したと説明している。米連邦捜査局(FBI)とも詳細情報を共有したという。
同社で脅威の情報収集にあたる部門の責任者がCNNに語ったところによると、米国内政治に焦点をあてた中国発の偽アカウントが見つかったのは初めて。米国人を名乗って、人工妊娠中絶や銃規制など党派間の対立が激しい話題を取り上げ、ニュースへのコメントなどを書き込んでいた。
これまでに同社が削除した中国発のネットワークは、諸外国のユーザーに向けて米国を批判する内容が中心だったという。
米国のほかに中欧チェコのユーザーを狙ったアカウントも見つかったが、いずれも中国時間の平日午前9時から午後5時の時間帯に更新されるパターンがみられた。
一方、ロシア発のネットワークは大規模で、フェイスブック、インスタグラムのほかユーチューブ、テレブラム、ツイッターなどさまざまなSNSに数千件のアカウントやページを設けていた。
ウクライナ侵攻をめぐってロシア寄りの主張を展開し、フェイスブックとインスタグラムの広告に10万ドル(約1450万円)を費やしていたという。
英国の高級紙ガーディアンや大衆紙デイリー・メール、ドイツの大衆紙ビルトや週刊誌シュピーゲルなど、欧米メディアを装ったウェブサイトも見つかった。
メタによれば、メディアのサイトを完璧に再現してはいないが、一見した限りでは本物に見えるよう細工した形跡があった。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャで起きた住民虐殺について、ガーディアンに似せたサイトに「ウクライナによる偽装」と主張する記事が掲載されたこともある。
メタはそれぞれのネットワークについて中国、ロシアの特定の組織や政府による工作とは断定していない。