米ツイッター、マスク氏のジェット機追跡アカウントを停止
(CNN) 米ツイッターがイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)のプライベートジェットの居場所を追跡するアカウントを停止したことが分かった。マスク氏は先月のツイートで、言論の自由を守るという約束はこのアカウントにも適用され、安全上のリスクではあるものの禁止しないとの意向を示していた。
ツイッターは同アカウントの排除を正当化する目的で作られたように見える新たな方針を公表。ウェブページの過去の記録を残す「インターネットアーカイブ」のデータからは、ツイッターが個人情報やメディアに関するポリシーに「誰かの現在の位置データを共有するツイートやアカウントを削除する」との項目を追加したことがわかる。
@ElonJetのアカウントはフロリダ州在住の大学生、ジャック・スウィーニーさんが運用していたもの。スウィーニーさんは公開されている航空機追跡情報を利用し、マスク氏のプライベートジェットが離着陸するたびにツイートを行う自動プログラム(ボット)を開発した。
@ElonJetの最後の投稿には、マスク氏のジェットが12日にカリフォルニア州オークランドから離陸し、48分後にロサンゼルスに着陸したことが示されている。
スウィーニーさんは14日朝、アカウントが永久に停止されるとの通知をツイッターから受け取った。その後、スウィーニーさんの個人アカウントや他の航空機追跡のアカウントも停止された。
スウィーニーさんのアカウントはマスク氏側にとって悩みの種だった。スウィーニーさんがCNNに提供したスクリーンショットには、昨年12月にマスク氏からスウィーニーさん宛てに、「これを削除してくれませんか? セキュリティー上のリスクがあります」と書かれたツイッターのダイレクトメッセージがあった。
マスク氏はツイッター買収の前、「クレージーな人たち」にフライトを追跡されるのを防ぐためとして、スウィーニーさんにアカウント削除の見返りに5000ドル(現在のレートで約68万円)を支払うと提案。これに対しスウィーニーさんは5万ドルを要求し、大学の学費のほか、マスク氏が経営する電気自動車大手(EV)大手テスラの「モデル3」の購入にも使えるかもしれないと述べた。何度かやり取りを交わした後、マスク氏は閉鎖のために支払うのは「正しいと思わない」と伝えてきた。
マスク氏は今回の新たなポリシーについて「誰かの現在地をさらすアカウントは停止される。身体上の安全に関する違反に当たるからだ」とツイート。少し遅れて誰かの行き先を公表することは「安全上の問題に当たらない」とも述べた。
スウィーニーさんは新たなポリシーに従うかとの質問に、「ツイッター上でだけ」24時間遅らせてマスク氏のジェット機の位置情報を投稿すると語った。