高級機内食をエコノミー席で、航空各社が相次ぎ参入
ただ、こうしたサービスが利用できるのは、ほとんどが自国の拠点空港を出発する便に限られる。他国にサービスを広げるためには、必要な材料や産品がそろうことを確認し、メニューの考案から始めなければならず、手間がかかるという。
USエアウェイズの場合、ペンシルベニア州フィラデルフィアと、ノースカロライナ州シャーロットからの出発便で高級機内食を販売しており、将来はサービスを拡大していく方針だ。
高級機内食を希望する乗客は、搭乗の24~28時間前に注文しておく必要がある。オーストリア航空はウイーンからの出発便に限って、出発の1時間前まで空港内の専用端末で注文を受け付けている。
KLMオランダ航空は昨年11月から、一部の便にアラカルト方式の機内食を導入した。狙いは売り上げの増大よりも、乗客の需要に応えることにあるといい、「アラカルトの場合、扱いなどに手間がかかり、追加的なコストが発生する」と広報は打ち明ける。
航空会社がコストを負担してまでこうしたサービスを提供する背景には、機内食のアップグレードで愛着を強めてもらおうという狙いもあるようだ。業界関係者は「空の旅の快適さを機内食が左右することもある」と話している。