チューリップ踏み荒らさないで、観光客の自撮りに生産者が悲鳴 オランダ
(CNN) チューリップの最盛期を迎えたオランダで、写真を撮ろうと花畑に立ち入る観光客が続出し、多額の損害が発生している。観光局や生産者はソーシャルメディアや「親善大使」を通じ、花畑に入らないよう観光客に呼びかけるキャンペーンに乗り出した。
オランダ各地の色鮮やかなチューリップ畑は観光スポットとして人気を集める。しかしここ数年の自撮りブームで花畑を歩き回って写真を撮ろうとする人が増え、チューリップが踏み荒らされる被害が広がった。
アムステルダム西部の40カ所以上でチューリップを栽培する生産者のサイモン・ペニングスさんはCNNの取材に対し、「昨年は1つの畑に200人いたこともあり、始終追いかけ続けなければならなかった」「彼らは午前10時から午後9時まで、1日中写真を撮っている」と訴える。
この問題は数年前から浮上、主に自撮り写真を撮る若者が引き起こしているという。
写真を撮る目的でペニングスさんの花畑に立ち入る観光客は、1日当たり推定で数千人に上る。「チューリップが傷つけられると球根が育たなくなる」(ペニングスさん)といい、1万ユーロ(約120万円)相当の被害が出たこともあるという。
オランダ観光局によると、チューリップ目当ての観光客は10年ほど前まで50代以上の層が多数を占めていたが、インスタグラムの人気上昇に伴い、2年ほど前から若い世代の観光客が増えた。
観光局は、観光客は歓迎するとしながらも、「花畑への立ち入りが禁止されていることを知ってほしい」と呼びかけている。