巨匠ゴッホの自殺に使われたとみられている拳銃が、フランスの首都パリで6月19日に競売にかけられることになった。仏競売会社オークションアートが発表した。
出品されるのは7ミリ口径の回転式拳銃「ルフォシュー」で、予想落札価格は6万ユーロ(約750万円)。オークションアートは「美術史上最も有名な兵器」と銘打っている。
ゴッホは1890年に自ら命を絶った。同社の声明によると、この銃は自殺現場で見つかったもので、口径は遺体から回収された銃弾と一致している。銃弾については当時、医師が記録に残していた。科学的な調査の結果、銃が1890年代から地中に埋まっていたことも判明している。
この銃は威力が低いことから、ゴッホが即死しなかった理由についても説明がつく可能性があるという。
ただ、専門家のマーティン・ベイリー氏はCNNの取材に、ゴッホの自殺に使われた銃である可能性が「非常に高い」としつつ、「確証はない」と指摘した。
銃はゴッホが人生最後の数カ月を過ごしたパリ北郊の村、オーベル・シュル・オワーズで1965年に農家が発見。ゴッホが自分の腹部を撃ったとみられている農地で見つかった。
農家は村にある宿の所有者に銃を譲渡。宿主の家族が今回、競売に出すことを決めた。