ロシア、クルスク州の奪還を発表 ウクライナは否定

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ウクライナ軍の占領下に入り、その後、ロシア軍が奪還したクルスク州の建物=3月/Tatyana Makeyeva/AFP via Getty Images

ウクライナ軍の占領下に入り、その後、ロシア軍が奪還したクルスク州の建物=3月/Tatyana Makeyeva/AFP via Getty Images

(CNN) ロシアのプーチン大統領は26日、昨夏にウクライナが越境攻撃を仕掛けたロシア・クルスク州について、奪還したと明らかにした。一方、ウクライナ側は現地では戦闘が継続していると主張している。

プーチン氏は「ウクライナ政府の冒険は完全に失敗した」と述べ、ロシア軍を称賛した。プーチン氏は同州でのウクライナ軍の撃退について、戦争での重要な局面において、ロシアにとって象徴的な追い風となると指摘した。

ウクライナ軍参謀本部はSNSへの投稿で、クルスク州での戦闘行為が終結したというプーチン氏の主張について、「真実ではない」と述べた。厳しい状況にあるものの、ウクライナ軍は同州で陣地を維持し、与えられた任務を継続しているという。

ウクライナ軍によれば、26日にはクルスク州で6度の交戦があった。この日はロシアが約150回の砲撃を行ったという。

CNNは戦況について独自に確認ができていない。ロシアもウクライナも他の前線では領土の獲得に苦慮している。

ウクライナ軍は昨年8月にクルスク州への越境攻撃を実施した。ロシア領が他国からの侵攻を受けたのは第2次世界大戦以降で初めてだった。これ以降、ロシアは北朝鮮兵の支援も受けながら、クルスク州の奪還を進めている。ウクライナ政府は、いかなる和平交渉でも重要な交渉材料として利用できるとして、クルスク州での支配維持に向けて貴重な戦力を投入してきた。

クルスク州を移動するロシア軍の車両=3月/Shamil Zhumatov/Reuters
クルスク州を移動するロシア軍の車両=3月/Shamil Zhumatov/Reuters

ロシアのゲラシモフ参謀総長はSNSへの投稿で、北朝鮮兵に謝意を示し、北朝鮮兵の高いプロ意識や不屈の精神、英雄的行為を称賛した。

ウクライナ当局や西側諸国の情報機関の報告によれば、約1万2000人の北朝鮮兵がロシアでの戦闘に派遣されている。

ゲラシモフ氏によれば、地元当局が「平和的な生活」の回復に向けて、地雷の除去や不発弾の破壊などの作業を進めている。森林地帯や地下室、廃虚となった建物にウクライナ兵がいないか確認が行われているという。

プーチン氏の主張が本当ならば、クルスク州を交渉の材料として利用するという希望は消え去り、ウクライナ軍の撤退は、和平交渉が続くなか、ウクライナ政府の政治的な影響力やウクライナ軍の士気に打撃となる可能性がある。

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