インドが目指す高速鉄道革命、進展のスピードは各駅停車
現在、鉄道網全体の16%を占める7つの幹線が、鉄道輸送全体の41%を担っている。またインド鉄道の鉄道網の約4分の1が乗車率100~150%で運行されており、どこかで鉄道網が寸断されるとその影響が全国に波及する恐れがある。
そこでインドは3つの対策に取り組んでいる。第1に主要都市間を結ぶ新世代の高速旅客鉄道の建設、第2に総延長数千キロで大容量の貨物専用鉄道(DFC)の建設、そして第3に24年までに既存の鉄道網の100%電化を目指している。
これは非常に野心的な戦略だが、最初のDFCはすでに稼働しており、電化作業も急ピッチで進んでいる。DFCは総延長5750キロの3区間を最初の2区間に追加する計画で、今年完成の予定だ。
鍵は高速化
しかし日本や中国と同様に、インドも高速鉄道こそ走行時間を短縮し、輸送力を向上させ、経済活動の加速するための鍵と考えている。
21年に発表された野心的な国家鉄道計画は、インド北部、西部、南部の全ての主要都市を高速鉄道で結ぶことを想定しており、互いに300~700キロ離れた人口100万人以上の都市が優先されている。
すでにインドは日本から、西部のムンバイからアーメダバードまでの約508キロを結ぶ最初の路線の建設を支援するための技術、技術者、資金の協力を得ている。
17年にインドのモディ首相と当時の安倍晋三首相がムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道建設プロジェクトを発表した際、当初は今年8月15日のインド独立75周年までに新幹線が開通することが期待されていたが、多くの課題や遅延により、完成は少なくとも28年まで先送りされた。
高速鉄道のルートをめぐる論争や、農地が失われることに対する農家や地元の政治家らの反対により、マハーラーシュトラ州での土地の買収やルートの調査に大幅な遅れが生じた。