インドが目指す高速鉄道革命、進展のスピードは各駅停車

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ムンバイの鉄道駅で長距離列車の窓から外を見る乗客/Indranil Mukherjee/AFP/Getty Images

ムンバイの鉄道駅で長距離列車の窓から外を見る乗客/Indranil Mukherjee/AFP/Getty Images

高架橋

土地の買収や潜在的に危険な既存の道路や鉄道との接点を最小限に抑えるため、総工費150億ドル(約1兆8300億円)のムンバイ・アーメダバード間の高速鉄道は、9割以上が高架となる。この決定により総工費は13億ドル(約1600億円)増加した。

ムンバイの北にある21キロの区間は地下で、そのうち7キロは海底トンネルだ。また、この路線の11の駅が高架駅で、インド鉄道の既存の路線への乗り換えも容易にする。

日本のE5系新幹線をベースにした10両編成の高速鉄道車両が最高時速320キロで走行し、現在7時間を要するムンバイ・アーメダバード間の移動時間が最速のサービスでわずか2時間強にまで短縮される。

各列車の座席定員は1300席で、母親用の多目的ルームや重い荷物を収納するためのコンパートメントを備える。最低運賃はわずか250インドルピー(約400円)で、起点から終点まで乗車すると約3000ルピー(約4800円)かかる。

しかし、インド鉄道の不安定な財政状態がこの楽観的な状況に暗い影を落としている。生産性の持続的な低下により、過去6年間、同社のコストは収益の2倍以上の速さで増加している。

最近、職員の賃金を倍に増やしたことにより会社の財政状態はさらに悪化する一方、年金拠出金が事業経費の実に71%を占めている。職員の数は減少しているが、最近の採用活動では6月までに新たに14万人の職員増員を目指している。

コスト、混雑、そして新しい高級インフラへの多額の投資の必要性というインド鉄道が抱える問題は、他の大半の企業に比べて規模はやや大きいものの、決してインド鉄道特有の問題というわけではない。

インド政府は、同国の最重要鉄道プロジェクトが完成し、約束されたさまざまなメリットを国民に提供する様子を見届けようと躍起になるだろう。それは経済回復を促進するためだけでなく、インドも世界クラスの21世紀型鉄道輸送を提供できることを競合国に見せつけるためでもある。

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