3000人乗せた米大型客船で火災、就寝中の乗客緊急避難
(CNN) 乗客乗員3000人あまりを乗せてカリブ海をクルーズしていた米ロイヤル・カリビアンの大型客船内で27日未明に火災があり、同船は行き先を変更してバハマに入港した。大きなけがをした乗客などはいない様子。
火災が起きたのはバハマ船籍の大型客船「グランジャー・オブ・ザ・シーズ」。同社や米沿岸警備隊によると、同日午前2時50分ごろ、船尾の格納デッキから出火し、第4デッキにある乗員用のラウンジに燃え広がった。
同船は船内放送で眠っていた乗客を起こし、ライフジャケットを着けて直ちに甲板に避難するよう指示。火災は午前5時ごろまでに消し止められ、エンジン停止には至らなかったが、同船は予定を変更し、沿岸警備隊の船舶2隻に先導されて同日午前10時15分ごろ、バハマのフリーポートに入港した。
現在、米国家運輸安全委員会(NTSB)とバハマの当局が共同で出火原因を調べている。
同船は乗客2224人と乗員796人を乗せて24日に米メリーランド州ボルティモアを出航し、7泊の予定でバハマの島々をめぐる予定だった。
ロイヤル・カリビアンの発表によると、この火災でクルーズは中止になり、乗客はフリーポートから空路でボルティモアに戻る。全乗客に料金を払い戻すとともに、今後のクルーズに利用できるクーポンを提供するという。
乗客の1人はフリーポートから電話取材に答え、「これまで走ったことのない速さで甲板に駆け上がった。ものすごく怖かった。泣いたり取り乱したりしている人も大勢いた」と語った。
この騒ぎで乗客2人が気を失って手当てを受けたほか、高血圧や足首の捻挫を訴えた人もいたという。しかし緊急治療を要するような症例は報告されていないという。