キリストは2人の子持ちだった?
(CNN) イエス・キリストには妻だけでなく2人の子どももいたという説が、古代文献を読み解いた新著「ロスト・ゴスペル」(失われた福音書)で紹介され、物議をかもしている。
同書はカナダ・ヨーク大学のバリー・ウィルソン教授とイスラエル系カナダ人の作家シムカ・ジャコボビッチ氏が共著で出版。古文書を新たに翻訳した内容について解説している。この文献は1847年から英国図書館が所蔵していたもので、最近になって研究者の注目を浴びた。
キリストに妻がいたという説は以前から指摘され、映画にもなった小説「ダ・ヴィンチ・コード」(2003年)でも有名になった。
しかし今回の文献からは、キリストに妻だけでなく2人の子どもがいたことがうかがわれ、聖書に登場する「マグダラのマリア」が妻だったことも確認されたという。さらに2人の子どもを暗殺しようとする計画もあったとされる。
文献は動物の革に、キリストが話していたとされるアラム語の方言であるシリア語で書かれていた。
この説についてキリストの生涯に詳しい米ミドルベリー大学講師のジェイ・ペリニ氏は、キリスト教公認の4つの福音書以外にも、福音書は多数存在すると指摘。「福音書の伝承は豊富で多岐にわたり、興味深い内容に満ちている。キリストについて記された膨大な内容のうち、どれが正しくどれが正しくないのかを正確に知ることはできない」と解説している。