米脱線事故、ガラスに銃撃の痕跡なし FBI捜査で
(CNN) 米ペンシルベニア州フィラデルフィアで今月12日発生した全米鉄道旅客公社(アムトラック)の列車脱線事故で、原因を究明する米運輸安全委員会(NTSB)は21日までに、事故前に機関車のフロントガラスが銃で撃たれた痕跡はなかったとの声明を発表した。
調査協力を要請していた米連邦捜査局(FBI)専門家の鑑定結果としている。一方でNTSBは、ガラスの損傷の特徴を踏まえ、何らかの物体が投げられて当たった可能性は否定しなかった。
事故では車掌の1人が、電車に何かが当たったと運転士が無線で話しているのを聞いたと証言。NTSBは、銃撃などの可能性も踏まえFBIに協力を求めていた。
また、事故発生の現場近くを運行していた南東ペンシルベニア交通局(SEPTA)の列車とアムトラックの別の列車も車両に何かが当たったと報告していたことが判明した。
ただ、CNNの取材に応じたNTSB幹部は脱線の列車に物体が当たったとの情報の真偽について見解を留保。事故の列車と無線でやりとりしたとするSEPTAの列車運転士は物体が当たったことを報告していたが、脱線した列車運転士に同様の報告はなかったと指摘した。聴取に応じたSEPTAの運転士は、無線での会話内容は覚えていないと述べたという。
事故原因を調べる法執行機関筋はCNNに対し、調査の焦点は依然、運転士の操作の是非にあると説明。刑事罰の対象に成り得るとの結論は一切出ていないが、原因の可能性については稚拙な判断や誤操作、何らかの意図的な動機などが考えられるとも述べた。
NTSBは運行記録装置の解析でスロットルの操作が行われたことを明らかにしたうえで、これがカーブ前の加速につながる要因だったのかどうかを検証すると説明した。