「孤立化招く」 米国防長官、南シナ海情勢で中国に警告
ワシントン(CNN) 米国のカーター国防長官は5日までに、南シナ海で挑発的な行動を続ける中国に触れ、自らの野望を追い求める中で建設的な地域協力関係の構築を損ねていると批判した。
シンガポールで開幕した、地域の安全保障問題を討議する「シャングリラ・ダイアローグ」(主催・英国国際戦略研究所)で表明した。
長官はこの中で「南シナ海における中国の振る舞いはアジア太平洋地域での団結やネットワーク化が進む中で自らを孤立化させるもの」と言明。「中国の行動が今後も続くなら、自国を孤立させる『万里の長城』を築くだけに終わる」と警告した。
カーター長官はその後の会議参加者との質疑応答で、米国が南シナ海問題で中国に焦点を当てている理由を質した中国人学者に対し「問題は2国間の論争として解釈されるべきではない」と反論。
「我々が依拠しているのは法の支配の原則であり、国際法の順守」と主張。「焦点を当てているのは中国に対してではなく、原則である」とし、「注視を仕向けさせているのは中国側の行動である」と強調した。
カーター氏はまた、米国と日本、韓国は今月内に弾道ミサイル警戒を狙った共同訓練を実施する計画も明らかにした。
中国は近年、南シナ海の諸島で人工島を造成するなど軍事拠点化の動きを強め、同じく主権を主張する他の沿岸国・地域との緊張関係を高めている。