分離手術の結合双生児に回復の兆し ニューヨーク
アナイアスちゃんは術前から呼吸や心臓の異常、けいれん発作などがみられ、手術もジェイドンちゃんより6時間長くかかった。今もまだけいれん発作を繰り返し、薬による治療が続く。クリスチャンさんは「1日ずつゆっくりと、希望を持って進みたい」と語った。ニコールさんも「辛抱強く待てばアナイアスも同じように回復してくるはず。ただ時間がかかっているだけ」と強調する。
CNNの医学専門家、サンジェイ・グプタ博士とのライブ配信番組の中で、アナイアスちゃんはそっとまばたきをした。アナイアスちゃんが目を開けたのは、手術以来初めてのことだった。「この子はカメラが大好きなんだ」とクリスチャンさん。グッドリッチ医師も「意識がはっきりしてきたようだ。こちらを見ている」とうなずいた。
手術が終わってから、ジェイドンちゃんとアナイアスちゃんの頭部はずっとガーゼで覆われていた。しかし17日の夜、アナイアスちゃんを手術室へ運んで傷口を処置した医師から夫妻に、包帯を取った姿の写真が送られてきた。ニコールさんは「本当に分離されたんだと初めて実感した。アナイアスの頭は信じられないほど完璧な形だった」と話す。
ニコールさんによると、アナイアスちゃんは薬で眠っている状態だが、両親の気配は感じているという。ニコールさんが話しかけると心拍数や血圧が下がる。近くにいると落ち着くようだ。「私が脚を少しマッサージしてあげたら、140だった心拍数が90まで下がった」と話すニコールさんの隣で、クリスチャンさんが「この子はお母さん子だということだ」と付け加えた。
夫妻は世界各地から寄せられた支援に深く感謝しているという。インターネットの資金集めサイト「ゴーファンドミー」に寄せられた募金の額は手術以降、5万ドル(約520万円)から26万ドル(約2700万円)まで増えた。一家は今後寄付を希望する人に対し、腎臓移植を必要としている友人の子どもを支援してあげてほしいと呼び掛けている。