トランプ氏、28億円支払いで和解 「大学」巡る訴訟
サンディエゴ(CNNMoney) ドナルド・トランプ次期米大統領が運営していた不動産セミナー「トランプ大学」の詐欺疑惑をめぐる訴訟3件で、トランプ氏は19日までに、和解金計2500万ドル(約28億円)を支払うことに同意した。
和解が成立したことで、トランプ氏は28日から開始する予定だった公判で証言する必要がなくなる。ニューヨーク州のシュナイダーマン司法長官が提起していた訴訟と、カリフォルニア州で提起されていた集団訴訟2件は今回の和解により終了する。
原告側の弁護士が18日に法廷で述べたところによれば、和解金支払いの対象となるのは元生徒ら約6000人で、「大学」に納めた費用の少なくとも半分を受け取ることになる見通し。2500万ドルのうち約2100万ドルは集団訴訟の和解に充てられ、400万ドルはシュナイダーマン司法長官が提起していた訴訟の被害者に支払われる見込みだという。
トランプ氏が運営する不動産会社の広報担当者は、トランプ大学をめぐる全ての訴訟が完全に解決したと発表。大学側が公判で勝利していたであろうことに疑問の余地はないとしつつも、「今回の和解によりトランプ次期大統領は、米国が直面する重要な問題に全力で取り組むことができるようになった」と指摘した。和解ではトランプ氏は責任を認めていない。
トランプ大学はトランプ氏が2005年に設立した営利目的の不動産セミナーで、既に破たんしている。同氏のように不動産で裕福になるための投資技術を生徒に教えるとうたっていた。広告ではトランプ氏が直接、指導者を人選したとしていたが、元生徒らは実態と異なると主張。トランプ氏も宣誓証言で、指導者の雇用にそれほど深く関与していないことを示唆していた。