米連邦控訴裁、入国禁止令の適用範囲狭める決定
(CNN) サンフランシスコにある第9巡回連邦控訴裁判所は7日、中東・アフリカのイスラム圏6カ国から米国への入国を禁止したトランプ大統領の大統領令の適用範囲を狭める決定を下した。
すでに米国に在住する人の祖父母なども家族として入国を認めるほか、定住支援機関からの援助が確約されている難民グループも適用外となる。一方で大統領令の合法性についての審理は続いている。
連邦最高裁は6月、10月10日に本格的な審理が始まるまで大統領令の一部執行を認める決定を下した。これにより、米国と「正当な」関係を持たない個人が入国禁止の対象となっていたが、「正当な関係」の定義を明らかにするよう求める訴訟が複数起こされていた。
対象となるのはイラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンから米国に入国する人々だ。
今回の控訴裁の決定を下したのは3人の判事。いずれもクリントン政権下で指名された人物で、トランプ政権の主張に疑問を投げかけた。
判事らは判断を示した文書の中で「政府は、どのような考え方から米国内にいる人が自らの祖父母や孫、義理の兄弟姉妹、おじやおば、おいやめい、そしていとこと『つながりがない』もしくは『正当な関係がない』とみなし得るのか、はっきり論じていない」と指摘した。
また、難民についても受け入れが遅れれば「危険で中途半端な状態」に置かれてしまうと述べた。
テキサス大学のスティーブ・ブラデック教授は、今回の判断について「トランプ政権の入国禁止令にとって、さらなる大きな敗北だ」と強調。「法的にみれば現状はあまり変わらないが、6月の最高裁の決定をひどく誤って解釈した政府に対する痛烈な非難に他ならない」との認識を示した。