米、アサンジ被告をスパイ活動法違反で起訴 報道の自由巡る議論も
(CNN) 米司法省は23日、内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者のジュリアン・アサンジ被告をスパイ活動法に基づき17の罪状で追起訴したと発表した。チェルシー・マニング元米陸軍情報分析官と共謀のうえ、違法に国防情報の入手を促し、情報を受け取り、これを公開したとしている。
市民団体などからは報道の自由への影響を懸念する声が出ており、合衆国憲法修正第1条をめぐる大規模な法廷闘争に発展しそうだ。
司法省は以前から、機密情報漏えいに関わった政府当局者を起訴してきたが、トランプ政権は追起訴の発表により、機密情報の無許可開示や報道の自由を取り締まる姿勢を改めて示した格好だ。
CNNの法律専門家によると、スパイ活動法に基づくこうした起訴が成功した例は過去にない。
新たな起訴状では、アサンジ被告が機密情報の取得を積極的に教唆し、マニング元分析官をそそのかして数千ページに及ぶ機密資料を入手させたと主張。国務省の外交公電やイラク戦争関連の報告書、キューバのグアンタナモ収容所に関係する情報を自身に提供させたとしている。
ウィキリークスは23日、ツイッターで追起訴の発表に反応し、「狂っている。国家安全保障をめぐる報道と憲法修正第1条は終わりだ」と述べた。
一方、司法省当局者は、アサンジ被告と主流メディアの記者との間に類似性は一切ないと指摘。被告は匿名の情報提供者に危険が及ぶ「重大かつ切迫したリスク」を認識しながら、情報提供者の氏名を公開したと強調した。
ジョン・デマーズ司法次官補(国家安全保障担当)は「アサンジ被告はジャーナリストではない」と述べた。