米最高裁、トランプ政権によるDACA撤廃を認めず
ワシントン(CNN) 米連邦最高裁は18日、幼少時に親に連れられて米国へ不法入国した若者の強制送還を猶予する措置「DACA(ダカ)」について、トランプ政権による撤廃を認めない判断を示した。
判決は5対4で、判決文を執筆したロバーツ長官に加え、ギンズバーグ、ケーガン、ブライヤー、ソトマイヨールの各判事が支持に回った。
ロバーツ氏はまたもリベラル派の判事と歩調を合わせた形となった。ロバーツ氏はオバマケア(医療保険制度改革法)を支持した裁判でも決定票を投じており、依然これを苦々しく思っている司法保守派は反発を強めそうだ。
最高裁がトランプ政権の主張を認めない判断を下したのは今週2度目。15日には、LGBTQ(性的少数者)の米国民について、公民権法に基づき保護されるとの判断を示していた。
最高裁は今回の判断で、政権がDACA撤廃を正当化する適切な理由を示していないと強調した。
ロバーツ氏は多数意見で、「DACAやその撤廃が妥当な政策かどうかについては判断しない」と説明。そのうえで、「合理的な説明の提示を求める手続き上の要件を関係機関が順守したかどうかのみを扱う」とした。
移民制度改革はトランプ氏の政策の要となっていただけに、最高裁の判断は政権にとって打撃となる。この判断の結果、DACAの対象者は引き続き、就労許可や強制送還からの一時保護を受ける資格の更新が可能になる。
トランプ氏はツイッターで「最高裁が下した恐ろしい、政治色の強い判断」を非難。 「誇りをもって共和党員や保守派を自任する人々の顔面に散弾銃を発射するようなものだ」と述べた。
その後の一連のツイートでも批判を続け、「新しい最高裁判事が必要だ」としている。