米最高裁のギンズバーグ判事が死去、87歳
(CNN) 米連邦最高裁判所のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事が18日、膵臓(すいぞう)がんによる合併症のため死去した。最高裁が発表した。87歳だった。
ギンズバーグ氏は1993年に当時のクリントン大統領によって指名された。近年は最高裁のリベラル派で最高齢の判事となり、人工妊娠中絶の権利や同性婚、投票権、移民、医療、積極的差別是正措置など、意見の分かれる社会的な争点について、一貫して進歩派の立場から判断を下した。
そうした中でギンズバーグ氏はロックスターさながらの地位を築き、ラッパーの「ノートリアスB.I.G.」をもじって「ノートリアスR.B.G.」の愛称で親しまれていた。
米国では7週間以内に大統領選を控えており、ギンズバーグ氏の死を受け、早くも最高裁の将来をめぐる政治的な攻防が始まっている。上院共和党トップのマコネル院内総務は18日夕、トランプ大統領が指名した判事を上院で承認投票にかける考えを示した。
ただ、米公共ラジオ(NPR)によると、ギンズバーグ氏は孫に対し、後任は次期大統領が指名することを望むと述べていたという。
訃報を受け、最高裁のロバーツ長官は「我が国は歴史に残る法学者を失った」と言及。「最高裁も大切な同僚を失った。今日はその死を悼む日だが、将来世代が我々の知るギンズバーグ氏の姿を記憶にとどめるであろうことを確信している。倦(う)むことなく断固正義を擁護した判事として」と述べた。
最高裁によると、ギンズバーグ氏は首都ワシントンの自宅で家族に見守られながら息を引き取った。アーリントン国立墓地で非公開の葬儀が行われる予定。
ギンズバーグ氏は5回にわたりがんを発症。直近の再発は今年前半で、生体検査で肝臓に病変が見つかっていた。同氏はこの時の声明で、化学療法で「前向きな結果」が生まれているとし、活発な活動を続けることが出来ていると述べていた。