雪崩による死者続出、新型コロナも一因か 米
(CNN) 米国各地でこの冬は雪崩の発生が相次ぎ、死者が続出している。その一因として、一部の専門家が新型コロナウイルスとの関係を指摘している。
コロラド雪崩情報センター(CAIC)によると、米国でこの冬に雪崩のために死亡した人は33人に上り、過去最高だった2008年と2010年の36人に迫っている。
しかし気候変動と新型コロナウイルス関連のトレンドが組み合わさって、今シーズンの死者は史上最多になる可能性もある。
米海洋大気局(NOAA)によると、雪崩は斜面と積雪、トリガー(誘因)の3つの要素がそろうと発生する。
地面に降り積もる雪の性質は、それぞれの暴風雪ごとに異なる。今年は深い部分に脆弱(ぜいじゃく)な雪の層が堆積(たいせき)し、その上を強固な雪の層が覆っていることから、表面は非常に不安定な状態になっているという。
CAICのブライアン・レイザー氏は「今年の積雪は非常に危険な状態だ。およそ10年に1度しか起きない特殊な状況にある」「こうした状況では非常に雪崩が発生しやすい」と解説する。
ユタ雪崩センターによると、雪崩事故の約90%は、被害者や被害に遭ったグループの一員がトリガーとなって誘発される。
米全土で新型コロナウイルスの流行が続く中、今シーズンは人込みを避けて自然を楽しもうと山間部に出かけ、スキーやスノーボードをする人がかつてなく増えた。
オハイオ州マンスフィールドにあるスキー場は、昨年の冬に比べてビジター数が60%増となっている。
米森林局・国立雪崩センターのカール・バークランド局長によると、こうした傾向は、多くの公立公園や国立公園も含め、全米で共通しているという。
しかし今年は雪が脆弱な状態にあることから、ウィンタースポーツは例年以上に危険度が増している。