ミャンマーでデモ隊に武力行使、18人死亡と国連発表 ヤンゴン大司教「戦場のよう」
(CNN) ミャンマーで28日、軍事クーデターへの抗議デモに対して警察と国軍が武力を行使し、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると少なくとも18人が死亡、30人以上が負傷した。
国軍が2月1日に権力を掌握してから、これほど多数の死傷者が報告されたのは初めて。治安部隊は27日から各地でデモ隊への実力行使を強めていた。
ミャンマー初のローマ・カトリック教会の枢機卿でヤンゴン大司教のチャールズ・マウン・ボ氏はツイッターに「ミャンマーは戦場のようだ」と書き込んだ。
北部カチン州では修道女が地面にひざをつき、手を挙げて警察にデモ隊を逮捕しないように訴える様子が写真に捉えられ、ソーシャルメディア上で拡散した。
OHCHRは声明で、ミャンマー国内の数カ所で28日、平和的なデモ隊に対して致死的な武力が行使されたとの「信頼できる情報」があると指摘。実弾の発砲により、最大都市ヤンゴンと近郊の古都バゴー、南部ダウェイとベイ、中部マンダレーとパコックで死者が報告されたと述べた。催涙ガスや閃光(せんこう)弾が使われたとの情報もあるという。
声明は「暴力の拡大」を非難し、国軍に武力行使の即時停止を要求。「ミャンマー国民には平和的集会の権利と民主主義の回復を求める権利がある」と訴えた。
OHCHRによると、28日のデモでは医療従事者や学生少なくとも85人とジャーナリスト7人が拘束された。2月の間に「恣意(しい)的に逮捕、拘束された」人数は民主政権のメンバーを含め、計1000人を超えるという。
米国のブリンケン国務長官はツイッターを通してミャンマー治安部隊の暴力を非難し、国民への支持を改めて表明した。