ホワイトハウス、行政管理予算局長の指名撤回 複数の有力議員から反対の声
(CNN) ホワイトハウスは2日、ニーラ・タンデン氏の行政管理予算局(OMB)局長への指名を撤回した。上院の複数の有力議員から指名に反対する声が上がったことを受けての措置。閣僚人事でバイデン政権の意向が議会を通らなかったのはこれが初めてとなる。
バイデン氏は声明で、タンデン氏から指名を辞退したいとの申し出を受けたことを明らかにした。同氏は引き続き政権内での職務に就くという。
左派系のシンクタンクの会長を務めるタンデン氏は、議会での承認プロセスの間、批判にさらされていた。過去に民主・共和両党の議員に対し辛辣(しんらつ)なコメントを発していたことが問題視されたためだ。ホワイトハウスによる指名撤回の判断は、米紙ワシントン・ポストが最初に報じた。
民主党のジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州)、共和党のスーザン・コリンズ上院議員(メーン州)、ミット・ロムニー上院議員(ユタ州)はこの数週間、そろってタンデン氏の指名承認に反対する考えを示していた。同氏が過去にソーシャルメディア上で行った議員らに対する批判が理由だとしている。
上院は民主党と共和党の議席数が50―50の同数なので、マンチン氏が承認反対に回れば、共和党議員1人の賛成が必要になる。賛成と反対が同数の場合は、ハリス副大統領が決定票を投じる。
承認に賛成する可能性があるとみられていた共和党のリサ・マ―カウスキー上院議員(アラスカ州)は1日にタンデン氏と会談したが、指名撤回の直前の時点ではまだどちらの票を投じるか決めていないとしていた。CNNの取材で明らかにした。
タンデン氏は先月上院で行われた承認のための公聴会で、過去のツイートについて謝罪。後悔の念を表明した。無所属ながら議会では民主党の会派に属するバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)は、タンデン氏の過去のコメントについて、「進歩派に対する悪意ある攻撃」ととれるものが含まれていたと指摘した。