警備員の目の前で堂々と万引き、窃盗容疑で男を逮捕 米サンフランシスコ
(CNN) 米カリフォルニア州サンフランシスコ市内のドラッグストアで男が警備員らの目の前で大量の商品を堂々と盗んで立ち去る様子が撮影され、警察は万引きを繰り返していたとみられる男を窃盗などの容疑で逮捕した。
店内で撮影された動画は、サンフランシスコで広く横行する万引き問題の一端をのぞかせている。
サンフランシスコ警察のツイッターによると、逮捕されたのはジーン・ルゴロメオ容疑者(40)。19日午前8時半ごろ、市内のドラッグストアに同容疑者が入店し、陳列棚の化粧品を手当たり次第に袋に入れる様子を警官が目撃した。盗もうとした商品の総額はおよそ978ドル(約10万円)。同容疑者は窃盗未遂などの容疑で逮捕された。逮捕に対して抵抗はしなかった。
警察は以前から、市内で相次いだ万引き事件に関与した疑いでルゴロメオ容疑者の行方を追っていた。
これに先立ちドラッグストアチェーンのウォルグリーンの店舗では、男が次々に商品を万引きして大きな黒いごみ袋に入れる様子を、CNN提携局KGOの記者が目撃して撮影していた。
この店の警備員を含む3人が携帯電話で現場を撮影し始めても、男は万引きをやめなかった。男は盗んだ商品を入れた袋を自転車に積み、警備員の目の前を通過してそのまま逃走。警備員は盗品の入った袋に手を伸ばしてつかもうとしたが、そのまま見過ごした。けが人はいなかった。
ルゴロメオ容疑者はこの事件に関して強盗や窃盗の疑いがもたれている。
さらに、同じウォルグリーンの店で5月29日と30日、31日、6月1日にも万引きや強盗を繰り返した疑いや、今月17日にドラッグストアで万引きした疑いもあり、計16件の罪に問われて現在も勾留されている。保釈金は2500ドル(約28万円)に設定された。
市内で横行する万引き問題をめぐっては、地元当局が先月開いた公聴会で、ウォルグリーンやドラッグチェーン大手CVSの関係者から事情を聴いていた。相次ぐ万引きについて当局は、出来心による犯行ではなく組織犯罪と位置付けている。
ウォルグリーンの広報によると、サンフランシスコ市内の小売店では以前から、こうした窃盗行為が公然と行われて問題になっていたという。
カリフォルニア州検察によると、昨年10月には盗品の買い取りや転売にかかわった容疑で5人が逮捕されていた。この捜査では、小売店から盗まれた総額約800万ドル相当の商品が押収・回収された。
捜査当局はこうした犯罪について、「盗品を手に入れて転売し、市内や州内、そして全米で流通させることを狙った組織的行為が間違いなく存在する」とKGOに語っていた。