アフガン、370郡中50郡がタリバーンの支配下に 5月以降 国連
(CNN) 今年5月以降、アフガニスタンの370郡のうち50郡が反政府武装勢力タリバーンの支配下に入ったことがわかった。デボラ・ライオンズ国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)事務総長特別代表が22日、国連安全保障理事会で報告した。同国では米軍が撤退を進めている。
ライオンズ氏は「タリバーンの最近の進軍はより深刻で、軍事作戦の激しさが増している結果だ」と言及。「制圧された郡の大半は州都を囲む位置にある。外国軍が完全撤退すれば、タリバーンがこうした州都を奪える位置にいることを示唆している」と続けた。
地元の電力会社は22日、暴力的な衝突で重要な電力インフラが被害を受け、首都を擁するカブール州を含む11の州で停電が発生したことを明らかにした。
北部クンドゥズ州の州議会議員によると、タリバーンは過去24時間で同州の複数の郡や、タジキスタンとの間の重要な国境検問所を支配下に置いた。
こうした最近のタリバーンの進軍は従来の支配地域ではない場所に及んでいる。
タリバーンは先週末、北部バルフ州のアフガン軍基地を制圧したと発表。軍用車両や武器を押収した様子を撮影したプロパガンダ用の映像を公開した。
他にも北東部タハール州でアフガン軍の車両「ハンビー」を押さえた様子や、北部ファルヤブ州でアフガン軍兵士数十人が投降する様子を捉えた動画も公開している。
アフガンの治安当局者はこうしたタリバーンの主張について真偽の確認も否定もしていない。CNNはこうした動画の信ぴょう性や撮影日時を確認できていない。
バイデン米大統領は今年4月、米同時多発テロから20年となる9月11日までにアフガンから米軍を撤退させると発表した。この戦争は米国が経験した最長の戦いとなり、同国で続く解決の難しい紛争は米国の優先事項とは一致しないと判断した。