アフガンの米大使館でコロナ100人超感染、1人死亡 軍の撤退進む中
(CNN) アフガニスタンの首都カブールにある米国大使館で新型コロナウイルスの感染が広がり、これまでに100人以上が感染し、地元の職員1人が死亡したことがわかった。米軍の撤退が進む中、同国では新型コロナの流行が急拡大している。
17日付の大使館の通知によると、感染者数の急増を受けて大使館は閉鎖された。軍病院の集中治療室(ICU)が満床のため、敷地内に酸素吸入が必要な患者用に暫定病棟が建てられた。感染者の95%はワクチン接種を受けていないか、接種を完了していない人だという。
米外交職員らが加入する米外交サービス協会(AFSA)のトップ、エリック・ルービン氏によると、大使館での流行は主に米国人の大使館職員と契約業者の間で起きている。
通知によると、大使館敷地内の全職員は一定の区画にとどまるように移動の制限を受け、活動や仕事も制約されている。大使館の来訪者には事前にワクチン接種を受けるように呼びかけられている。
ルービン氏は、AFSAが連邦政府に対して、海外勤務の条件として米国の全職員のワクチン接種を求めると表明。今アフガンは米軍撤退の重要な時期にあり、大使館の封鎖は米国の国益や国家安全保障への重大な脅威になるとの認識を示した。
国際赤十字・赤新月社連盟によると、同国は感染が制御不能になる瀬戸際にある。17日発表の声明では、感染率が今月に入り24倍増加したと明らかにした。
米国務省のプライス報道官は17日、「感染の連鎖を断ち切ったと指導部が確信するまで、大使館の通常業務は再開しない」と述べた。
米中央軍によると、アフガンからの米軍撤退は50%以上完了しているという。
大使館は先週、同国での新型コロナ流行を受けてビザ(査証)関連業務を全て停止すると発表。これに対し米議員や活動家からは、米国を支援してきたアフガニスタン人への特別ビザの発給業務に支障が出ると懸念を示していた。