米上院、郵政公社改革法案を圧倒的多数で可決

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米首都ワシントンを走行する郵政公社(USPS)の配達車/ANDREW CABALLERO-REYNOLDS/AFP/Getty Images

米首都ワシントンを走行する郵政公社(USPS)の配達車/ANDREW CABALLERO-REYNOLDS/AFP/Getty Images

(CNN) 米上院は8日、郵政公社(USPS)の財政や運営を見直す超党派の郵政改革法案を79対19の圧倒的な賛成多数で可決した。

法案は今後バイデン大統領の署名を待つこととなる。

同法案は先月、下院を342対92で通過していた。退職する公社従業員にメディケア(高齢者および障害者向け公的医療保険)への加入を義務付けたり、医療コストを事前に数年分負担する公社への義務付けを撤廃したりする内容で、下院行政監視・改革委員会によれば今後10年間で500億ドル(約5兆8000億円)の費用節減効果があるという。

同法案はまた、USPSに対し地方や全米での配達時間データを表示するインターネット上のダッシュボード設置も義務付けている。

1775年に植民地間の通信促進のために設立された起源を持つUSPSは、米国で最古の政府機関の一つ。連邦機関の一員であることの多くのコストを負担し続ける一方で、財政的な恩恵はほとんど受けていない。収益は切手や配送料であり、税金からの補助はほとんどない。

一方、UPSやフェデックスなどの民間配達業者と異なり、USPSは米国の全家庭への配達が義務付けられ、赤字のルートでも廃止することができない。配送価格は政府の独立機関である郵便規制委員会の承認が必要となる。

民主、共和両党の議員がUSPSにとって重要な一歩になると法案を称賛する一方で、十分ではないと指摘する専門家もいる。

米シンクタンク、レキシントン研究所のポール・スティードラー氏は「郵便サービスを改善するために何もしていない」と指摘。費用削減への圧力は和らげたとする一方で「郵政公社に比べて非常に小規模でリソースの少ない郵便規制委員会に十分な権限を与えていない」と語った。

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