ロシアの情報源の「人的資源つぶし」を危惧、米機密文書流出で
(CNN) ロシアのウクライナ侵攻などに関わる米国の機密文書の大規模な流出疑惑では、ロシア国防省や同国の民間軍事企業「ワグネル」の内部情報などへの米国の「食い込みぶり」がこれまで想像されていた以上に進んでいたことも判明した。
これら情報の大半は電話や電子メールなどの通信傍受の手段に頼っていたが、今回の疑惑を受けロシア側が計画立案の秘匿性を守るため連絡方法を変える可能性への懸念も出ている。
また、米国が情報入手のために引き込んでいた人的資源が摘発される恐れもある。貴重な情報が入っていた流出文書の中にはロシア軍の動向を示す地図などもあったが、これは部分的に人的資源による貢献の成果だったという。
米政府当局者は、文書が漏洩(ろうえい)したことでこれら人的資源がつぶされる事態を危惧している。
流出文書の中には、ロシア軍の標的を絞った攻撃計画を把握していた情報もあった。ウクライナ内で狙われる火力発電所、変電所、鉄道や橋梁などが正確に記され、攻撃の時期にも触れていたとされる。
米側はさらに、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が提供する戦車が4月からウクライナへ届くことを見据え、ロシアがこれら戦車を迎え撃つため練っていたとされる戦略情報も得ていた。戦車に攻撃を加える範囲を短距離、中距離や長距離からの三つに分け、それぞれ準備させていた特定の兵器や部隊で対抗すると想定していた。
ワグネルに関してはウクライナの戦闘に送るロシアの受刑者の募集を新たに始めているとも指摘していた。ワグネルの創始者であるプリゴジン氏はプーチン大統領に及ぼす影響力は維持しているともし、ワグネルはアフリカ諸国や中米ハイチで存在感を強めることを試みているともした。