米で人気急上昇のピックルボール、負傷者も急増で医療費押し上げ
ニューヨーク(CNN) 米国で人気急上昇中のスポーツ「ピックルボール」愛好者の間で、手首や脚、肩を痛める人が続出している。特にけがをしやすい高齢者に人気が高く、医療費を押し上げる要因となっている。
UBSのアナリストが26日に発表した推計によると、ピックルボールのけがによる米国の今年の医療費は3億7700万ドル(約540億円)に上る可能性があり、予想外の医療費総額の5~10%を占める見通し。
「一般的に運動は健康に良いとされているが、現代のお年寄りの『できる』という姿勢はスポーツのけがといった分野でリスクを増大させることがあり、整形外科処置数の増加につながっている」とアナリストは解説する。
2021年の医療調査によると、ピックルボールで負傷する頻度は高齢者が最も高く、10~19年にピックルボールのけがで救急外来を訪れた患者の86%は60歳以上だった。
ピックルボールによるけがはねんざ、筋違い、骨折が約60%を占め、挫傷やすり傷、内臓損傷が20%、裂傷や脱臼は約10%だった。
アナリストの推計によると、今年ピックルボールのけがに関連して救急外来を受診する患者は6万7000人前後、外来受診者は36万6000人、外来手術の件数は9000件に上る見通し。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来、ピックルボールは爆発的に普及して、けが人の増加につながった。スポーツ&フィットネス業界団体によると、愛好者は19年の350万人から22年には890万人に増加。今年は2200万人に達するとUBSのアナリストは予測している。