クマ観察カメラにSOSの合図、遭難危機のハイカー救助 米公園
(CNN) 米アラスカ州の国立公園で悪天候に見舞われ、立ち往生していたハイカーの男性が、野生のクマの生態を生中継するウェブカメラに向かって指での合図や音声で救援を求め、無事に助けられる一幕がこのほどあった。
現場はカットマイ国立公園保護区のダンプリング山の山中で、自然界のライブ映像をウェブカメラで伝えるサイトを見ていた利用者たちがハイカーの存在に気づき、サイトの運営団体「Explore.org」に連絡していた。
同団体の報道発表文によると、ハイカーは最初にカメラのレンズを見て、親指を下げるしぐさを示したという。数分後にカメラの場所へ戻ってきて、今度は声を出して救助を要請した。
団体からの一報を受けた同公園の自然保護担当官が救出隊を派遣。米国立公園局によると、風が強く雨が多い視界不良の悪天候に襲われていたハイカーは数時間後に助け出されたという。けがはなかった。
Explore.orgによると、自然保護担当官が到着するまで、男性はウェブカメラが据えられた場所にとどまっていたという。同団体はX(旧ツイッター)に「クマ観察のライブ映像がハイカーの命を救った!」とも書き込んだ。
「我々のカメラが人間の捜索や救助作戦に使われたのは初めて」とも記した。
カットマイ国立公園保護区はアラスカ州アンカレジから南西へ250マイル(約402キロ)以上離れた場所に位置し、車では進入できない遠隔地にある。