ブリンケン米国務長官、予告なしにイラクを訪問

（ＣＮＮ） 中東歴訪中のブリンケン米国務長官が５日、事前の予告なしにイラクを訪問し、首都バグダッドでスダニ首相と会談した。

ブリンケン氏はスダニ氏と１時間あまり会談したほか、現地の米大使館で米施設への脅威について説明を受けた。

米当局者らは、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突に第三者が加わる事態を警戒してきた。先月衝突が始まってから、イラクやシリアで親イラン武装勢力による駐留米軍への攻撃が激化している。

ブリンケン氏はスダニ氏との会談に続く記者会見で、建設的な話し合いができたと述べ、米軍要員に対する武装勢力の攻撃は断じて容認できないと伝えたことを明らかにした。

会談では、紛争拡大を阻止する方策も協議したという。

同氏はさらに、人道目的の一時的な戦闘停止に向け、米国とイスラエルのチームが具体策を話し合っていると説明した。イスラエルからは実際の戦闘停止について「重要な質問」があり、米国側が回答に努めていると述べた。

同氏はイラク訪問に先立ち、イスラエル、ヨルダン、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区とキプロスを歴訪していた。

イラクに続いて６日未明には中東最後の訪問先、トルコに到着した。同日午前にトルコ当局者らと会談する。

トルコのエルドアン大統領はこれまで、パレスチナ自治区ガザ地区に対するイスラエルの攻撃を人道犯罪と呼んで強く非難してきた。駐イスラエル大使を召還し、同国のネタニヤフ首相との対話を打ち切ると表明している。

ブリンケン氏はこの後、さらにアジア訪問を予定している。