米国務長官、アラブ諸国と外相会談も溝は埋まらず
アンマン(CNN) 中東歴訪中のブリンケン米国務長官は4日、ヨルダンの首都アンマンでアラブ諸国の外相らと会談したが、パレスチナ自治区ガザ地区での停戦をめぐる溝は埋まらなかった。
会談はヨルダンのサファディ外相が主催し、エジプト、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアの各外相とパレスチナ解放機構(PLO)の代表者が出席した。
アラブ側は会談で、イスラエルとイスラム組織ハマスの即時停戦を主張。一方、ブリンケン氏は、停戦中にハマスが態勢を立て直し、再びイスラエルを攻撃する恐れがあるとの立場から、改めて反対を表明した。
ブリンケン氏は会談後にサファディ氏、エジプトのシュクリ外相と共同会見に臨んだ。シュクリ氏は「イスラエルが民間人と民間施設、医療施設、救急隊員を狙い、パレスチナ住民を強制的に移動させるという集団的懲罰は、断じて合法的な自衛ではない」と主張した。
ブリンケン氏は改めてイスラエルに対し、民間人の犠牲を避けるためにあらゆる措置を取るよう呼び掛けた。
同氏はこれまで、ガザ地区に燃料を搬入して民間人を避難させる「人道目的」での「一時的な戦闘停止」を主張してきた。
ブリンケン氏は会談後のコメントで、米国とアラブ諸国は基本的に「地域の永続的な平和と安全保障を確保する形でこの紛争を終わらせる」という利益、目標を共有していると指摘。目標達成に必要な手段をめぐる意見の違いはあっても、それぞれが引き続き目標に向かって努力する意思を確認し、自国の影響力を行使して紛争拡大を防ぐことの重要性で合意したと述べた。
同氏はまた、各国がガザ地区の人道状況への深い懸念も共有していると述べ、支援強化に向けた努力を強調した。