新たな米大統領専用機の製造費膨張、赤字増大に悩むボーイング

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「エアフォースワン」2機の製造費がかさみ、ボーイングの赤字が増大を続けている/Tayfun Coskun/Anadolu Agency/Getty Images

「エアフォースワン」2機の製造費がかさみ、ボーイングの赤字が増大を続けている/Tayfun Coskun/Anadolu Agency/Getty Images

ニューヨーク(CNN) 米ボーイングは4日までに、新たな米大統領専用機「エアフォースワン」2機の製造費が膨れ上がり、さらに4億8200万ドルの赤字が発生するとの見通しを発表した。

これで、同機の製造に伴う損失額は1機あたり10億ドル以上になる見込み。昨年時点では両機で14億5000万ドル、2021年では3億1800万ドルだった。

米空軍との18年の契約調印時の製造コストは2機分で39億ドルだった。

ボーイング社のカルフーン最高経営責任者(CEO)は昨年4月、膨張する製造費に直面し契約すべきではなかったとの後悔の念も漏らしていた。契約内容には、米大統領専用機だけに非常に特殊なリスクを背負い込む条件が盛り込まれていたことなども明かしていた。

契約に調印後、関連部品の確保に伴うコストが急増し、引き渡し期日も頻繁に延期されていた。

新たに抱え込むことになった4億8200万ドルの赤字は、航空工学上の技術変更や不安定な労働力確保、部品を供給する1社との交渉が原因となっている。

国防契約で事業費が当初よりかさんだ場合、通常は税金で賄うことが非常に多い。ただ、エアフォースワンは事情が異なっていた。2機の製造を引き受けた際の大統領はトランプ氏だったが、事業費が高すぎるとして契約撤回もあり得ると警告し、結果的にボーイングは固定価格をのまざるを得なくなっていた。

ボーイングは業績不振が続いており、2019年初期以降、四半期別に見た場合、ほとんどで赤字を計上している。稼ぎ頭だった737MAX型旅客機が2度にわたって起こした墜落事故が大きく響いていた。

同機は19年3月からの20カ月間、運航停止を命じられていたが、それ以降の同社の損失額は総額で現在、255億ドルに上っている。

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